通信制高校でのeポートフォリオ活用からわかったこと「成長実感がさらなる成長に」
2021/09/03
今回は、SNS型eポートフォリオであるFeelnoteを活用した教育を行う、通信制の高等学校、第一学院高等学校について紹介する。
成長実感をさらなる成長につなげるために成長実感をさらなる成長につなげるために
通信制の学校である第一学院高等学校では、
- 社会に出て活躍できる人材の育成
- 生徒が自分で自分を意欲喚起できる力を付ける手助け
この2点に向け、それを達成するための1つの手段としてFeelnoteを導入している。
Feelnoteによって生徒が自分自身の成長を実感し、さらなる行動喚起・成長へとつなげていける、と第一学院高等学校 教務ICT支援室の清水潤一氏は話す。
清水氏が思う、Feelnoteの有用性
清水氏によると、Feelnoteは生徒の成長が可視化できる点・テストの点数だけでは測れない生徒の評価が可能になる点でとても便利だそうだ。
成長の可視化
例えば、自分の成長を記録し可視化することで、自分の気持ち・行動が過去と比べていかに変化したかを生徒自身が確認することができる。さらに、教師が生徒のコメントを見ることによって、生徒に対してより的確なアドバイスやフィードバック、次のアクションへの問いかけを行うことができる。
生徒の内面的部分への理解
人の評価はテストの点数だけで測れるものではない、と清水氏は語る。
Feelnoteを活用することで、生徒が自分の感情を言語化するようになり、テストでは分からない生徒の趣味や性格・価値観などを理解しやすくなる。これにより、教師側も生徒の内面をより理解し、1人1人にあった相談やアドバイスを行える。
第一学院高等学校でのFeelnote活用事例
清水氏から、第一学院高等学校でのFeelnoteの活用事例が紹介された。
第一学院高等学校では、継続的なライフログの記入とFeelnoteでの相互のコミュニケーションを生徒に促している。
清水氏はいくつか事例を挙げてくれた。
ライフログを付け続けたことにより、自分に自信が持てずに人目を気にしてしまっていた生徒が行事に積極的に参加したり周りを巻き込んで行動したりするようになった。さらには、発達の偏りがあり不登校が続いていた生徒が、ライフログを続けることで自分の殻を破り、外の世界にも興味を持ち始めたというエピソードもある。気持ちの変化に伴い、ライフログの内容や文章量にも大きな変化が出た。
これらは生徒が自らライフログを発信し、それに対して教師や他の生徒がコメントしたりフィードバックしたりしたことにより起こったことである。
この事例からも、いかにFeelnoteの活用が精神面でも生徒にプラスの影響をもたらしているかが分かるだろう。
Feelnote活用の今後の展望
清水氏は、これからもFeelnoteを活用していくなかで、いかに生徒のライフログの質を上げていくかが課題であると述べた。
現時点では、呼びかけの効果もあり、Feelnoteを活用する生徒は多くなった。しかし、個人レベルでは投稿内容の質にいまだばらつきがある。清水氏は、今後、ジャーナルといった形で人に自分のやってきたことを伝えていく力を付けていってほしいと語った。
eポートフォリオ導入を検討している人へのアドバイス
清水氏は、「まずはやってみてほしい。やってみれば、いかに生徒に良い影響を及ぼすか、何らかの変化が感じられるはずだ」と語った。
以上、第一学院高等学校でのeポートフォリオの活用事例紹介をお送りした。